ねぶた祭は青森駅に宿を取ってはいけない
この記事はこの先ねぶた祭を見に行きたいと考えている人に向けて、鈍行で行くねぶた祭3泊4日弾丸旅行の経験者が語るものである。
またあくまで「見る側」の視点で書いていく。(一応「跳人」というねぶたの前で踊ってる人たちに混ざることもできる)
そもそも
「ねぶた祭」は青森市で毎年8月2~7日にわたって開催される祭りで、「東北三大祭り」の一つに数えられる。
見どころは何と言っても巨大なねぶたが青森の街中を練り歩くさまで、2~6日の「夜間運行」と7日の「昼間運行+夜間海上運行+花火大会」と様々なシチュエーションで見ることが出来る。
僕が見たのは夜間運行で、ねぶたの内側に光源があるのでとても見やすく、逆光も無いため写真も撮りやすかった。基本的にはこれがおすすめである。
僕はピンボケ写真を含めると300枚以上ねぶたの写真を量産した。楽しかった。
もちろん夜間の海上運行+花火大会は素晴らしい光景なのだろうが、少し気にかかる点がある。
ねぶた祭のシステム
ねぶたは「ロ」の字型(上が北)に設定された青森駅前のコースを右回りに1~2周する。僕たちはそれに沿った歩道から見る訳である。
当然だが、「ロ」の角の部分というのはねぶたを正面から見ることが出来る特等席となっている。
そもそもねぶた祭の数億円にもなる開催資金はいったいどこから出ているのか。答えは簡単、スポンサーとなる企業である。ねぶたの周囲には企業のロゴがピカピカ光ってたりする。
勘のいい読者ならもうわかるだろう。スポンサーやお偉いさん用の座敷が沿道の至る所に組まれている。また「特等席」は権利を買うことで陣取ることもできたはずだ。
僕は貧乏人なので金を払うはずもなく、よさげな場所を見つけたのでそこに陣取ることとした。
個人的なおすすめは「ロ」の下辺にあるバス停である。
まず「ロ」の上辺は商店街になっていて、道幅も狭い。そのためねぶたが回転することが無く正面から見るのには適さない。
対して下辺は道幅が広い。ねぶたは沿道の座敷に向けて「お辞儀」することがあり、様々な角度で鑑賞することができる。
またバス停を指定する理由は、座敷も無く街路樹も無い開けた場所であるからだ。ついでに屋根もある。雨が降っても安心だ。
先述した夜間海上運行の気になる点というのもこれと同じで、海沿いのねぶたが見やすい所は大体押さえられているはずだ。また調べたところ陸から距離も離れているらしい。それでもねぶたと花火の組み合わせには魅力を感じるところだ。
祭を楽しんだら
ねぶたの運行が終わるのが22時くらいだったと思う。
あとは宿で寝て明日の鈍行乗車に備えるだけであるが、本当の問題はここから、「宿泊場所をどうするか」である。
青森駅の周辺に宿を取ろうと考えていた僕は旅行代理店に行った。お姉さんに「祭り期間なので料金が値上がりしている」と言われて心構えはしていたが、1泊+朝食付きで2万円近く代金を請求されたときは正直ビビった。
勿論ごく普通のシティホテルでBooking.comでさっき調べたら1人朝食付き8000円だったわ。嘘だろお前。
それでいて青森駅周辺に複数あるホテル のほとんどが満室。嘘だろお前。
今回の旅の3泊の内訳は、(資金に余裕があったため)ネカフェ泊は新白河での1回のみ。さらに問題の青森駅周辺のホテルで1回。もう1回は盛岡のビジネスホテルで素泊まり5000円だった。快活を覚えた今思うとこれでも高いわ。
そんなわけで金に余裕がある時以外は青森駅周辺で宿をとってはいけない。ネカフェもあるらしいが多分満室だろう。
ではどうするか。ここから先は切符によって2つに分かれる。
18きっぷの場合
なんと丁度2020年2月に弘前駅近辺(18きっぱー感)に快活がOPENするらしい。場所はググってほしい。18きっぱーなら歩ける距離だろう。弘前に先に向かうことで翌朝の出発時間も6時過ぎと余裕ができる。
さっき知ったのだが、どうやら青森駅から始発で秋田を経由すると西国分寺で0時台の中央線下りに間に合ってしまうらしい。マジかよ。
北海道&東日本パスの場合(筆者はこれ使った)
正直微妙だが青い森鉄道で八戸まで下りる。
18きっぷの陰に隠れているがこいつもなかなか使える切符である。
18きっぷとの違いは、「連続した7日間有効であること(開始日を指定する必要あり)」「東海、西日本エリアには乗れない」「18きっぷより価格が1000円ちょっと安い」「一部の第3セクター*1に乗れること」である。
この一部の第3セクターに乗れるというのが重要で、この切符で盛岡~八戸~青森間の鈍行に乗ることが出来る。
これを利用し、青森駅で青い森鉄道の始発に乗れば八王子に22時台に到着することができる。早い。(青森に泊まればの話だが。)
しかしこのルートの問題は「沿線のネカフェの少なさ」に加え「終電が早い」ことである。
祭が終わった後八戸まで行くことが出来るものの、駅周辺にビジネスホテルはあるのだがネカフェが無い。しかし、八戸駅から青い森鉄道の始発に乗れば八王子に21時に到着できる。めっちゃ早い。
以上を踏まえると、「ビジホに泊まる必要があるが早く着く第3セクタールート」「快活泊ができるが到着が遅いJR限定ルート」の2つがあることがわかる。
僕はというと、青森のホテルでのんびり朝食を食べていた。2万円払ったからな。朝食食べなかったら勿体ないでしょ。
結果1日で東京に着くことはできず、新白河で夜を明かした。ここでも余計に金がかかってしまった。あの新白河ネカフェ泊は何だったのだろうか。まあ東京喰種読み切れたから良かったけど。
おわりに
以上が筆者からのアドバイスである。ねぶた祭の様子と鈍行列車限界旅行の世界を少しでも感じていただけたら嬉しい。
良い子はおとなしく新幹線を使いましょう。
*1:ざっくり言うと新幹線と並走するためJRから切り離された路線のこと。18きっぷで乗れない(例外あり)。今回の場合IGRいわて銀河鉄道(盛岡~目時)と青い森鉄道(目時~青森)が該当する。これらはかつてJR東北本線の一部だった。